最近の小児がん医療の進歩は目覚ましいものがあり、小児がんはおよそ80%の患者さんに治癒が期待できるようになってきました。
正しい診断と、新しい薬剤や免疫療法などの開発で、少しでも合併症の少なく、そして100%の小児がん患者さんが治癒できるよう私たち医療者は、日々努力していますが、小児がん経験者の中には、今までにおこなってきた治療による長期の合併症のために、ご苦労されている患者さんも多いのが現状です。特に、就労に関しては大きな課題で、復学の問題とともに、クローズアップされています。もともと小児がん経験者の方々の就労は、初めての経験であることが多く、そのための障壁も高くなりがちです。
認定NPO法人ハートリンクワーキングプロジェクトは、就労の機会に恵まれない小児がん経験者の方々が、社会とのつながりを持ち、働きながら社会へ通用する能力・知識・技術等を習得し、自立した社会生活を営む事ができるように支援していくことを目的として2011年10月に設立されました。
これまで、石田前理事長のご指導のもと、皆様からの温かいご支援により、全国から紹介のあった小児がん経験者の方々の就労支援を行い、さまざまな企業で社会参画ができるようになっております。また、小児がん長期フォローアップに関する研究を支援する取り組みを継続しています。
心から社会の役にたちたいと考えている小児がん経験者が、一人でも多くその夢をかなえることができ、みんなで支えることのできる豊かな社会になることを願っています。
皆様の温かいご支援をお願いいたします。
2023年6月
認定NPO法人ハートリンクワーキングプロジェクト理事長
松本公一(まつもときみかず)